逃げ癖と耐え癖
世間一般的に逃げ癖が付くことは悪く言われている。
もちろん私も悪いことだと思う。
中学、高校等ですぐに部活や塾をやめ、大学でもサークルやバイトをやめる。
そういう人は多いのではないだろうか。
私はあまり逃げ癖がないので何かそういった経験はないが、学生時代にアルバイトをしているときに入って1週間せずに辞める人が多くびっくりしたものだ。
しかし、逆に耐え癖が付いている人もそれはそれで直したほうがよいかと思う。
そもそも耐え癖とは私が今しがた考えた言葉であるのだが、言葉から想像できるように何か困難なことがあってもとりあえず文句も言わずにただひたすらに耐える癖のことである。
これはもちろん自身の精神に問題となることがある。
ひたすらに怒られ続ける職場でずっと耐え続けてうつ病になって会社を辞める。
今はこれが非常に多いだろう。
周りでもやはりマジメな性格の人ほど抱え込んで病んでいくのを見る。
私も逃げ癖は持っておらず、いろいろ深く考え込んで耐えることも多いが、たまに周囲に文句を直接言っているのでなんとか生きている。
こういった精神の病は「逃げ癖は悪く、耐えることこそが素晴らしい」という世間一般が生んだ病なのではないかと思う時がある。
しかしながら私が今回言いたいのは、この場合だけでなく耐え癖が後で他者の迷惑となる可能性があることがある、ということである。
それは一人の許容量を明らかに超えたタスクが降ってきたときである。
私が一時期いた案件で、リーダーがリーダーとして初心者で、かつあまり知識もなく、自身で調べながらなんとかやっている、ということがあった。
そのリーダーは非常にマジメな性格で、自身のタスクをなんとか自身だけでやろうとし、かつどうしたらよいのかわからないことを他者に聞かずに調べながら進めていた。
私はそれが非常に腹立たしかった。
できないならできないと言えばいいし、わからないなら他者に聞けばよい。しかしながらそのリーダーはそれをせず、すべて自己流でやろうとしてしまったのだった。
私はすぐにそのリーダーのタスクの多さや、やっていること方向性のずれを感じ、それをそのリーダーの上司に報告したのだが、その上司がリーダーに話かけても、「私が全部やります」「まだやれます」の一点張りだった。
結局その案件が立ち回らなくなり、最終的に他にわかる人がおらず私がいろいろと割を食うはめになったのだ。
このリーダーは今までチームで動くことが少なかったらしく、うえから降ってきた仕事はすべて自身で片づけてきていたらしい。
そういう人がリーダーとなってしまったときはそのリーダーがとてつもなく優秀な場合を除きプロジェクトが立ち回らなくなるのは当然である。
こいったケースでも耐え癖というものは他者に迷惑をかけてしまうのである。
まず、精神的にまずいと思ったときは早めに逃げるのが最重要であるが、自分が耐えることで他者の迷惑になっていないか考えることも必要であると私は思う。
私みたいな下っ端はそこまで考える必要はないのかもしれないが、今後誰かの上に立つ人はこういったことを少し頭の片隅に置いておいてほしい。