意識の高くない系社会人ブログ

意識の高くない系社会人が仕事観や自己啓発のような内容を中心に、他にも色々と日々考えていることを書いていきます。

総合職という闇

3月になり、学生の就職活動がスタートしたようで、電車でも黒のスーツに身をまとい、合同説明会等でもらったパンフレットを手に持っている人を見かける。

 

また今年も就活の時期がずれるようで、相変わらず学生及び採用担当者に負担がかかっているのではないかと思う。

 

 

今日私が書くのは、「総合職」についてである。

 

一般的に日本で就活をしていると、あまり意識していないかもしれないが、ほとんどが「総合職」か「一般職」である。

技術者として活躍したいSEも、バリバリと仕事をしたい銀行員も、すべて「総合職」採用となっている。

 

この「総合職」が、昨今の日本では少し問題となってきている。

 

 

 

そもそも、なぜ総合職なのか。

 

海外では仕事において、採用は「プログラマー」であったり、「コンサルタント」であったりと、そもそも細かく分類されている。

日本において仕事はまずは総合職として一括で新卒を採用し、そのあとに配属でいろいろな部署に配属される。

 

 

日本は海外に比べ、仕事に就くというより、会社に就く、という意識が非常に強い。

なので、どんな仕事をしているかと聞くと、仕事内容よりも会社名を挙げる人や、会社の主要の製品やサービスを挙げる場合が多いだろう。

 

総合職という考え方がずっと続いた理由は、言うまでもなく「終身雇用」のためである。

 

海外では、たとえば技術者がある会社に入って開発をしていて、その製品の売れ行きが悪く撤退する場合、その技術者は解雇となり、別の会社で技術力を生かせるところを探すだろう。

 

しかしながら、日本ではほとんどの人が全く関係のない部署に「異動」となる。

それこそ技術者でも「人事部」や「総務部」等に異動となる場合も多いだろう。

また、業績等も関係がなく、たとえば技術部門であまり開発ができなかったり、営業で問題発言が多いような人でも、いわゆるブラック企業ではいじめて辞めさせるようなことはあるかもしれないが、普通の企業では他部署への異動となる。

 

 

今までの終身雇用制度では上記でも問題がなかった。

 

では今となって何が問題となってきたか。

 

終身雇用制の崩壊と転職が少しずつ一般的になったことである。

 

 

さて、先ほどの例で考えてみよう。

 

技術者がその製品の開発の撤退となり、他部署に異動となったときに、その会社を辞めて別の会社に転職するという人が増えてきた。

また、終身雇用制の崩壊により、年功序列で給与があまり上がらなくなったり退職金がなくなったりと、その会社に居続ける必要もなくなってきた。

 

 

それによって、「人事部」や「総務部」等には、いわゆる行きたくないけど昇格するために一度は異動が必要なローテーション制度で異動となった人か、他の部署では使えなくて飛ばされてきた人、会社名で入りたいと思ったが楽な仕事がしたくて異動したかった人が多くなってしまったのである。

 

 

そういった人は得てしてモチベーションが低く、仕事に対する貢献も少ない。

正直なところ、私は別に仕事にモチベーションをもって取り組めということは言わないが、自分たちの仕事も完全にしようとしない人が多いのが問題となる。

 

また、こういったコーポレート部門は、会社の幹部の人々等とのかかわりも少し増え、段々と自分が偉いと感じる人も出てくる。

私の会社にも、他部署であまりに使えなくて総務部に飛ばされたのが、自分が偉いと勘違いしてほかの部署に対して非常に横柄な態度で接するようになってしまった人がいる。それも一人や二人ではない。

また、コーポレート部門は、得てして顧客と接する機会がなく、社内の人間としかやり取りしない。

そのため、人との対応の仕方を忘れ、やらなければいけない仕事を「面倒だ」と横柄に突っぱねるような人が増えてしまう。

 

 

 

 

また、もう一つの問題として、すべての若手社員が「庶務」に追われてしまうことである。

 

技術者として採用されたのであれば、基本的にその技術以外のものは求められない。

しかし、日本では、必ず会社への仕事として「庶務」が発生する。

若手社員ということで仕事にも慣れていなかったりするわけであるが、それにプラスで庶務も発生してしまい、数年後には不要となる「庶務」を覚える必要が出てくる。

 そして、若手社員は早く次の新人が入って庶務を押し付けたいということしか考えない。

 

最初から庶務担当の人を採用しているのであれば、こういった問題は発生しない。

 

 

 

また、それに付属して、先ほどの一つ目の問題を合わせると、

コーポレート部門が横柄な態度で仕事をせず、他部署の若手に本来はやらなければいけない仕事を押し付ける、ということが発生してしまう。

 

その結果、若手社員は庶務を抱え、やりたい仕事ができないということで転職を考えてしまうのだ。

 

 

 

この記事を読んでいる人の中にも、似たような事例で困っている人もいるのではないかと思う。

 

 

 

 

日本人は労働時間に対して生産性が非常に悪いということが言われているが、こういったことも原因の一つではないかと私は考えている。

 

 

「総合職」ということも雇用の安定ということでは悪い面だけではないが、少しずつグローバル化してきた昨今の状況には、多少合わなくなってきたのではないかと思う。

 

 

 

就職四季報 2017年版

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