就活の現場に社会人として参加してみて
更新のあまりないこのブログに最近になってまたアクセスが増えて来ているようだが、それはおそらく今年の就活が始まったからではないだろうか。
今年は説明会が3月から始まると聞いてまた4年生や院2年の学生がつらい思いをするのかと思った。
就活を遅くしようという動きはどうやら学生の勉強する時間をより確保するためのようだが、私のように理系の学生からすると、就活が終わらないと研究が中途半端になってしまい、学会発表等もできなくなるので就活は今まで通りでよかったと思う。
どうやら就活の時期を決めている団体は、大学生は3年生までが勉強していて4年で就職が決まるとあとは遊んでいると思っているらしい。
今回は、いまだに日本の新卒採用はクソだと思っている私が逆に新卒採用の現場を見てみて思ったことを話そうと思う。
というのも、最近、新卒の説明会等に「若手現場社員」という形で参加することが出てきており、学生からいろいろ質問を受ける立場となったのだ。
どうやら景気が上向きになり、去年と今年はいわゆる「売り手市場」となっているようだ。そこで会社側もいい学生に来てもらいたいといろいろ頑張っているようである。
(得てしてこういう時期に大量採用されて入ってくる学生は使えない人が多いのだが)
さて、実際に学生を見る立場になったときに思ったのは、ほとんどの学生は業界や企業のことなど知らず、その場限りの簡単な調査をし、面接では適当に答え、それを人事採用の担当者が見抜けていないという現状である。
現場社員の質問の時間等にいろいろ聞かれるが、そもそもBtoBとBtoCの違いを知らなかったり、SEの実際の仕事内容等があまり理解されていないのである。
私は周囲にすでにSEをやっている同期や先輩がおり、かつネットでいろいろ調べていたこともあり、業界だけでなく会社それぞれの特色等も知っていたし、それが当然だと思っていた。
しかしながら実際に就活の現場に来てみると、とりあえず「プログラムなんて知らない」、「ゲームとか作れるようになるのか」くらいの人が多すぎるのである。
そして「ブラックではないか」、「残業多いのか」等も聞かれる。
そういう質問が来たらあまりに馬鹿馬鹿しいと思いつつもしっかりと回答するのだが、どうもいい気がしない。
これを実際に仕事に戻って現場の人に話をすると、「自分のときも実際に仕事するまでどんなものか知らなかった」、「適当にパンフレットに載っていることを話ていた」などが多く聞かれた。
ましてや同期には「SEってなんかカッコよく見えたから」という謎の理由で入社した人もいる。
私としてはそのような人と一緒に仕事をしなければならないことが非常に残念だ。
ここでやはり一番の問題は、学生よりもむしろ面接官と採用方式にあると思う。
学生はいつの時代もいい人も悪い人もいる。もちろんその時代により割合が多少変化することもあるだろうが、そこまで大きく変化しないと思っている。
その中で、いい学生をいかに見極めて採用するかが現状の新卒採用では出来ていない。
以前、日本の就活がおかしいというブログにも書いたが、結局は今の日本の就職活動は「数十分間を取り繕えばその後の人生が決まる」のである。
あなたの周囲にも、その場しのぎで一時的に取り繕うのがクセで、最終的につじつまが合わなくて仕事ができないタイプに人間がいないだろうか。
結局はそれが日本の新卒採用を表しているのではないだろうかと思う。
あとは、古い日本企業では、いまだに「いろいろ意見できて新しいことをやって利益をもたらす」人よりも「上に言われたことを忠実にこなして皆と仲良くやっていく」人のほうが重宝される。そういう企業の面接では「扱いにくそう」と思われた時点で終わりである。
さて、これを見た学生に伝えたいこととしては、「日本の就活など結局は面接官のとマッチングにすぎない」ので、不採用が続いても落ち込み過ぎないことだ。
これを見た採用の面接官や人事のお偉いさん方には、日本の新卒採用方式を一度見直すことも考えてみてはどうだろうか。
なぜ君たちは就活になるとみんな同じようなことばかりしゃべりだすのか。 (ジブンの本当の価値を伝える技術)
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